温泉と健康について

出自 溫泉百科
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わが国では、温泉は古くから人々に愛されてきました。その歴史を見ると、病気やケガを治療する薬として利用されてきたケースが多いようです。現在は観光的な利用が主となる温泉地が多くなってきましたが、湯治的な利用が主となっている温泉地も結構残っています。

 近年「健康」についての関心は高まってきています。動脈硬化や糖尿病などに代表される生活習慣病をはじめ、種々の病気にかかりにくくしていくための食生活やシェイプアップの方法などについて、テレビ等で頻繁に取り上げられたり、多くの出版物が刊行されたりしています。これは、いわゆる予防医学的な方法が脚光を浴びていると言えるのではないでしょうか。

 温泉地においても、昔ながらの湯治場から心身の健康維持や健康増進のために温泉を活用するという試みが見られるようになってきました。

 今回は、温泉と健康の関係について、取り上げてみることにします。西暦2000年を迎え、21世紀に向けて健康な生活を送るための一つの参考にして戴きたいと思います。  すでにその6で解説した「温泉と温泉地の効果について」と重複する部分もありますので、詳細についてはそちらを参照してください。

 温泉の健康効果については、「温泉そのもの」と「温泉以外の効果因子」に大別されます。

温泉そのものについては、入浴することによって得られる「物理的効果」と、種々の泉質によって異なる「化学成分による効果」そして、神経系統等にはたらきかける「変調効果」があります。

温泉以外の効果因子としては、日常生活と異なる環境に行くことによる「転地効果」や、バランスのとれた食事による「食事効果」、散歩やジョギングなどによる「運動効果」、入浴や運動後の適度な休養による「休養効果」などが挙げられます。

このような、温泉と温泉地の健康効果について、下に分かりやすく図示してみました。

次回は、温泉を利用して健康に取り組んでいる温泉地や施設について、いくつかの事例を取り上げます。